バンクーバーで働くCEOのFIFA女子ワールドカップ2015カナダ現地レポート
2014年ブラジルの旅から1年、2015年カナダの旅が始まった。
今度は女子ワールドカップ。サッカー女子日本代表「なでしこジャパン」は前回の覇者、二連覇を狙えるポジションにいる。男子日本代表はワールドカップ2014ブラジル、アジアカップ2015オーストラリアと惨敗が続き、勝利の唄を切望するサポーターの期待は高まる。
さらに、U23の生まれの地、個人的にも10年ほどデュアルライフを過ごしたカナダで開催ということもあり応援する母国が2つもありテンションがあがらないわけがない。
世界23周の旅4周目を終え、女子ワールドカップが開催するカナダへ一足先に飛び立ち、なでしこサポーターを応援するU23サポーター活動もはじめた。(→活動についてはこちら)
開幕から準々決勝まで、日本とカナダの試合は、バンクーバーで開催の試合はスタジアムへ、それ以外はファンゾーンでパブリックビューイングで応援した。今は、準決勝のなでしこ対オーストラリアを観戦するためエドモントンへ移動し、次の水曜日に決勝の切符をかけてイングランドと戦う。土曜日は、地元の人も珍しいという30度近い気候も敵だった。
世界最高プレーヤーの澤はフィールドにいるだけで存在感があるし、安藤が負傷しながら得たPKで辛くも勝利した一戦から、個人的に今大会ベストゴールであるオランダ戦の大儀のヒールパスから宮間、岩渕とつなぎ、阪口の華麗なミドルシュート、そして先日のオーストラリア戦の試合終了間際の岩渕のしびれるゴールまで、書きながら興奮が蘇る。
そのおもしろさは、今までサッカーに興味がないはじめてワールドカップを見た女の子に、サッカー馬鹿より先にチケットを手配させ、チームや選手の解説をさせるほどだ。中途半端なサッカーを知ってる人より先入観がないから純粋に楽しめたのかもしれない。たかがサッカーとか、しょせん女子と馬鹿にせず、今からでも遅くないのでいっしょになでしこを応援しよう。
日本で仕事や学校があるのに早朝に起きて観戦するのもおもしろいし、カナダに飛ぶのもクレイジーで最高。傍観者より当事者になってワールドカップという4年に1回のお祭りを、2連覇のかかったなでしこに関して言えば、もう一生で一度きりかもしれない歴史が変わる瞬間を楽しもう。
カナダ女子代表も毎試合見ているうちに選手の名前も覚えてしまった。カナダの英雄シンクレア、最年少フレミング、赤毛ファイターのブキャナン、モデル系美女セッセルマン、何度もピンチを救った守護神エリン、、、。日本対カナダという夢にまで見たカードは幻となったけど、お世辞にも上手と言えずどの試合もギリギリの勝利だったけど、地元の声援を受けベスト8まで来たことを讃えたい。いっしょに応援したカナディアンサポーターともいい思い出ができた。
ワールドカップでおもしろいのは試合だけではない。いつも大会がきっかけで生まれる出会いがかかせない。日本のサッカー仲間はいつもスタジアムで会っていてもお互い普段は何をしてるか知らない人はわりと多く、長年の付き合いの後に職業を知ることも多い。そのスタジアムとのギャップがおもしろくもある。そんなサッカー仲間からU23ネットワークが以前より広がってきた。スタジアムで友達になった子が留学して現地で再会したり、イベントで友達になった人が友達を紹介してくれたり、アウェイ観戦の観光地で知り合い家族の留学相談をしたいと連絡をくれたり。さらには、友達がスタッフに応募してくれたり、サポーター仲間が留学生の紹介に興味があるとオフィスに訪れてくれた。
南アフリカやブラジルでもそうだったように、大会期間中は現地の友達や知り合いを増やしやすい。エドモントンでは、スタジアムで友達になったカナディアンの家でホームステイさせてもらっている。カルガリーに遊びにおいでよと誘ってくれるホストファミリーも見つかった。カナディアンガールのナンパに成功するのもワールドカップ効果があるのは間違いない。友達なんてものはいつでもどこでも自然とできるものだけど、あるイベントがある時期に、同じ時間、同じ場所にいる人というのは、どこか共通点があり気が合う確率も高い。
ワールドカップの季節にFacebookやTwitteをチェックすると、いつもある種のメッセージが届く。U23でのなでしこサポーターのサポーターミーティングの様子やはちまき作戦、スタジアムやパブリックビューイングで日本&カナダサポーターコスチュームでインタビューを受けたりスタンドで応援する姿がテレビに映っていたと。今回はいつもにも増してそれが多い気がする。ブラジルでも南アフリカでもドイツでも同じようなことをやっていたのだけど、今回カナダは日本人サポーターが少ないため出演の出番が増えたのだろう。
何万人もいるスタジアムから世界を旅するサッカー馬鹿を見つけてくれたあなたへ届けたいメッセージがある。いつも飽きずに見つけては連絡をくれてありがとう。何年も会ってない音信不通男を思い出してくれてありがとう。会ったこともないサッカー馬鹿にメッセージをくれてありがとう。こんな変わり者を応援してくれてありがとう。お茶の間やバーでの小さな笑いでも届けることができたのなら嬉しい限りだ。世界に笑いを届けられるなら喜んでピエロにでもなろう。
それからもう一つ。違う角度で物事を見ることができるなら感じてほしいことがある。
なんて言うとかっこいいけど、やりたいからやってるだけ。
Change The Future…
(決勝戦当日追記)
女子ワールドカップ2015カナダファイナル。朝目が覚めて、今日ここにいる幸せを感じながら、ブログの執筆にあたる。
なでしこサポーターを応援するU23サポーター活動は、先日も今朝も宿やチケットを探している人と宿を譲りたい人をつなげるエージェントとなったり、地元のおいしいお店を紹介して喜んでもらったり、Share The Happinessを広げている。今日の決勝戦は、南アフリカやブラジルで会った愛すべきサッカー馬鹿仲間たちもバンクーバーに駆けつる。キックオフまで、ちょっと記憶のログを開いてみた。
2011・女子ワールドカップ・ドイツ大会。U23の勝負を賭けたバンクーバーオフィス立ち上げ。フランクフルトでの現地観戦は断念し、バンクーバーでバプリックヴューイングのアクティビティを企画する。USAとの死闘を制したなしここジャパンが、金色のワールドカップを掲げる姿をテレビ越しに見つめ勝利のアンセムを唄う。
2015・女子ワールドカップ・バンクーバー大会。あれから4年後、そのバンクーバーの地へ、なでしこがやってきた。しかも、ワールドカップの決勝という最高の舞台で応援できるのはこの上ない喜びと幸せ。ワールドカップが開幕してから、信じ続けて待ちわびたファイナルに近づくにつれて、興奮は増すばかり。あと1ピース。優勝カップを掲げる瞬間を見ることができたら、もうどうなるんだろう。
2002年から、男子ワールドカップは現地で日本代表を応援し、南アフリカやブラジルでは決勝もスタジアムにいた。間違いなくメッシたちの方がハイレベルなサッカーなんだけど、母国なでしこを応援できる決勝と言うのは特別な想いがある。しかも地元バンクーバーで。ありがとうなでしこ。ありがとうU23。
ふと、去年の今頃は何をしてのか振り返ってみたら、世界23周の旅4周目でブラジル・フォルタレーザでホームステイをしていた。世界中を旅しながら暮らしていると、1年前のブラジルはもうだいぶ昔のよう。でもブログを見返すと、昨日のことのようにあの光景が蘇ってくる。そろそろ時間だから、なでしこの晴れ舞台を応援しに行こう。ワールドカップ二大会連続、オリンピックも含めると三大会連続のファイナリスト。この歴史を刻む日を、23年後も忘れないだろうと、ログを残しておく。
Change The Future…