関西に必要な訪日外国人旅行者と地元民をつなげる留学経験者

外国人労働者の採用

イランの旅を終え、テヘラン・エマーム・ホメイニー国際空港(IKA)から関西国際空港(KIX)へ帰国する。関西国際空港に来るたびに感じることは、空港で働く職員のグローバル化。10年前から増え続けているのだが、特に、この5年間ぐらいで急激に進んでいる。厚生労働省の外国人雇用の届出状況によると、2016年10月末時点で日本で働く外国人は108万3769人となり、初めて100万人を超えた。

深夜着の便なんかで日本人が少なく周りに外国人旅行者と外国人職員がいない時なんかは、日本に帰国してもまだ海外にいるような錯覚さえ起こる。日本に着いたら伝統的な着物で歓迎をしてくれたらさすがおもてなしの国と感動するけど、経営視点から考えるとそんなにコストをかけてられないのだろう。

外国人職員に不満はない。例えばインフォーメーションで何か質問をすると、日本語でも英語でも中国語でも明るく答えてくれる。彼女たちの日本語は母国語ではなくともコミュニケーションに十分な日本語力で、ネイティブのような日本語を話す職員もいる。

日本語しか話せなず仕事に不満の多い日本人より、他ヶ国語を話し仕事に満足する外国人が採用されるのは当然だ。日本人を採用するメリットは、日本国籍でビザの心配がないことぐらいというのも頷ける。これがグローバル化した現代の日本の現実。いずれにせよ、一昔前は人がしていたチェックインも機械で可能になったように、他のポジションもロボットにもうすぐ置き換わるだろう。

日本人の仕事の満足度は世界最低水準

ここで就職セミナーなどでよく話すデータをここで紹介しておく。米Linkedinの調査によると、日本人の7%が現在の自分の仕事に「非常に不満」と回答しており、世界平均4%に対して、対象国26カ国中のうち最も高かった。

また、現在の仕事に「満足」と答えたのは、世界平均は72%に対して、日本は65%。トルコ63%、イタリア67%と並ぶ世界ワースト2位。なお、仕事に満足している1位はインドネシア84%、スウェーデン83%、ノルウェー81%と続く。

さらに、「非常に満足」の回答も見ると、世界平均の27%で、日本は17%。中国16%、ロシア15%に次ぐ、ワースト3位。上位は、カナダは39%、スウェーデンとタイの世界2位。1位はオランダ41%。

このような結果にもか買わず、新しい仕事を探しているかの質問の回答は、日本人は10%、世界平均は12%と転職にも消極的。2014年、世界26ヵ国1万8,000人以上の就業者を対象、日本の就業者は751人が参加。サンプル数も少ないしバイアス(先入観)はかかっているかもしれないけど、世界中を旅して感じる体感的にも納得の数字であり遠くは外れてないと思う。

日本人としては残念な統計データではある。できれば日本人の力で中から変えていきたいけど、外から外国人に変えてもらうしかないという現実も否めず、仕事の満足度が高い国の人たちに来てもらうのは解決策の一つだ。来てもらえればの話ではあるのだが。悲観しても物事はよくならないから、仕事に満足している国にヒントを見つけて未来を変えよう。U23のメンバーで日本をけん引きして、非常に満足の17%をカナダの39%ぐらいまで引き上げよう。

参考:The Wall Street Journal 日本人は世界で最も仕事に「不満」、転職活動は消極的

5年で17,000万人以上増加した訪日外国人旅行者

もう一つ、観光都市に暮らす人なら感覚的に気づいてると思うけど、数値で実感してほしいデータを調べてみた。1年に訪れる訪日外国人観光客数は、2011年には7,000,000人弱。5年間で3倍以上の24,000,000人越え。2017年は上半期ですでに13,757,300人。難波や心斎橋なんかを訪れると、街ゆく人も聞こえる言葉も5年前のそれとはもう違う国で外国人旅行者の方が日本人より多いぐらい。もとから観光客の多かった京都も世界中からおし寄せる観光客で溢れかえっている。

そもそも、観光立国の実現を目指し2007年に決定し、2012年に改定された「観光立国推進基本計画」では、2016年までに18,000,000人、2020年までに25,000,000人という目標を掲げていた。2016年に当初の目標は4年前倒しで達成され、2020円までの目標は倍の40,000,000人、さらに2030年に60,000,000と上方修正された。20,000,000人がどれぐらいの人数かというと満席の横浜スタジアムを280回分ぐらい。

この統計から誰でもわかることは、圧倒的な訪日外国人客数の増加。それから、日本のエライ人が熟慮し計算したはずの政府の目標や予想すらこんなもので、思っている以上に時代の変化は早いことがわかる。今回は上方修正の嬉しい誤算だが、増税、保険料の負担増、年金の減額の日が早まっても不思議ではない。

外国人観光客が増加し、日本のインバウンドツーリズムは、かつてないチャンスを迎えている。時代の変化に適応し文化や言葉の違う外国人を誘致しグローバル版日本のおもてなしで口コミとリピーターを増やす人たちもいれば、バブル時代の日本人海外旅行者を彷彿させるマナーの悪い一部の外国人観光客に適応できず困惑する人たちもいる。そこで求められのが留学経験者だ。

2016年 24,039,700人
2015年 19,737,409人
2014年 13,413,467人
2013年 10,368,904人
2012年 8,358,105人
2011年 6,218,752人
2010年 8,611,175人
2009年 6,789,658人
2008年 8,305,835人
2007年 8,346,969人
2006年 7,334,007人
2005年 6,727,926人
2004年 6,137,905人
2003年 5,211,725人

参考:「日本政府観光局(JNTO)統計データ(訪日外客数)」

留学生こそ日本と海外をつなげる日本の救世主

ここまでの話でセンスがある人なら気づいたと思うが、外国人労働者と外国人旅行者が増え、彼らと海外を知らない日本人をつなげてくれる人が求められている。外国人を増やさないでくれという鎖国思考の日本人の視点もわかるけど、もう開国はされてしまった。日本人が外国人がいる海外へ行かなくても、海外から外国人が日本へやってくる。2019年ラグビーワールドカップ、2020年東京オリンピックとまたとないチャンス。というより、観光立国にしなければ日本という国が終わってしまう。日本を開国へ、そしてFun&Coolな未来へ導くリーダーが必要とされている。AIロボットに任せることができることもあるけれど、日本の伝統と文化を真に心得て、技術と想像力を持つ者にしかできない仕事がある。それは、留学生であり、違う物事の見方ができる、このブログを読んでいる23%のクレイジーなあなた。

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