デザイナーとクライアントのためのロゴデザイン制作23原則
デザイナーとクライアントの悩みを解消
「できるだけ安く品質の高いデザインをしているデザイナーを探している。」
「クライアントが希望しているデザインがわからない」
デザイナーとクライアントのよくあるすれ違いを、外国人と日本人をつなぐようにU23が解消します。
たいてい原因は、「デザイナーのスキル不足」 「クライアントの予算不足」「見えている世界の違い」です。プロのデザイナーと相応の予算を用意したクライアントが、相手の視点を想像してコミュニケーションをとれば、大手デザイン事務所の半額以下で最高品質のロゴ制作は可能です。
こんな人向けの記事
・ユーザーのためになるロゴデザインをしたいディレクターとデザイナー
・ロゴデザイン会社とデザイナー選びを失敗したくないクライアント
・ロゴデザインを楽しみたいユーザー
デザイナーの悩み
・クライアントの希望するデザインが不明瞭 → ヒアリングの工夫をしましょう
・クライアントの要望がころころ変わる → 追加料金を請求しましょう
・ユーザーのためにならないデザインを希望される → プレゼンテーションの工夫しましょう
・クライアントにデザイン料を値切られる → 値下げのリスクを伝えましょう
デザイナーのヒント:
多くの場合、クライアントはデザインのことも自分が欲しいものもわかっていません。デザイン作業に時間を費やしたいのはやまやまですが、クリエイターならデザインについて無知なクライアントの期待と不安を想像しましょう。なぜこのデザインになったのかヒアリングの履歴を共有して、なぜこのデザインがよいのかわからない人にも理解できるようにプレゼンテーションにコストをかけるしかありません。
クライアントの悩み
・依頼した内容以上の提案がない → 予算を上げてプロのデザイナーに依頼しましょう
・イメージしていたデザインと違う → 予算を上げてプロのデザイナーに依頼しましょう
・料金が不明瞭 → 相場を確認し、不明な点があればデザイナーに質問しましょう
クライアントのヒント:
ほとんどのケースで、クラウドソーシングやインターネットなどでスキル不足のデザイナーや安かろう悪かろうのデザイン会社に依頼しているのが原因です。
予算を抑え高品質のデザインを依頼する方法は、ポートフォリの気に入ったプロのデザイナーに、希望を明瞭にまとめ、提案数1点、修正回数0回のおまかせで依頼することです。信頼されたデザイナーなら全身全霊で最高のデザインを提案してくれるでしょう。
デザイン費用の大部分は、本来のデザイン作業ではなく、クライアントとの打ち合わせ、ヒアリング、プレゼンテーション、使わない複数提案、度重なる修正に費やされています。
ロゴの意味
ロゴは、企業や個人の象徴です。スティーブ・ジョブズのNeXTやIBMのデザインを手掛けた20世紀の最も偉大なロゴデザイナーの一人ポール・ランドの言葉をU23はこのように解釈します。
・ロゴが一流なら、企業も一流に見えてくる。
・ロゴデザインの必須条件は、区別しやすいこと、記憶に残ること、わかりやすいこと。
・デザイナーではないクライアントやユーザーにどのように説明するかロゴのストーリーが大切。
・洗練を極めるとロゴはシンプルになる。
デザインの意味
”God is in the detail(神は細部に宿る) ”
”Less is more(少ない方が豊か。)”
ドイツのモダニズム建築の巨匠ミース・ファン・デル・ローエの名言は、U23が2003年から探究し続けるスローガンです。
ロゴデザイン23原則
2003年からU23が探求する洗練されたロゴデザイン制作23原則をまとめました。U23がデザインする時は最低でもこれらを考えてデザインします。
クライアントがプロと素人を見極め、デザイナー選びに失敗しないためのチェックポイントとしても使えます。
1. Unique ユニーク
ロゴはオリジナルで、特色、独自性があるか。
例)スティーブ・ジョブズがアップルを追放されて創立したNeXTのロゴは、「next」とありふれた単語にも関わらず独特で区別しやすい。
2. Visibility 視認性
ロゴは小さくても遠くからでも見やすいか。
例)abcのロゴは、どんな場面でもシンプルにとても見やすい。
3. Memorable 記憶に残る
ロゴは覚えやすいか。数日たった後でも思い出せるか。
例)かじった林檎のAppleのロゴは一度見たら忘れない。
4. Clear 明瞭
ロゴは明瞭であるか。はっきりと読みやすいか。
例)VISAのロゴはははっきりと読みやすい。
5. Concept コンセプト
ロゴにコンセプトやストーリーはあるか。メッセージが伝わるか。
例)Amazonのロゴは、AからZまでなんでも揃い顧客の笑顔を意味している。
6. Emotion 感情
ロゴから感情を感じるか。企業イメージとあっているか。
例)Disneyのロゴは、夢の国にふさわしいイメージがある。このフォントをお堅い企業に使うと違和感がある。
7. Durability 耐久性
ロゴは年月がたっても恥ずかしくないか、飽きないか。
例)BMWのロゴは、100年以上マイナーチェンジ程度で長く使われている。
8. Size サイズ
ロゴはiPhoneやさらに小さなApple Watchのような小さな画面でも認識できるか。
ロゴは大画面のプロジェクタに映した時やもっと大きな屋外広告のような大きな印刷でも美しいか。
9.Color カラー
ロゴの色が与える印象を理解し、コーポレートカラーに合っているか。
モニタの色RGBと印刷物の色CMYKの違いを考慮しているか。
配色は、違う色を背景にした場面や印刷する場面を考えているか。印刷コストやあらゆる場面を想定すると1色が使いやすい。
10.Monochrome モノクロ
ロゴは白い紙に黒で印刷した場面や色の背景に重ねた時、写真の上に使った時にも認識できるか。
11. Target ターゲット
ロゴを見るのは誰か考慮してデザインしているか。
性別、年齢層、職業、国籍、収入等、ターゲットにより適したデザインは異なる。
12. Motif モチーフ
ロゴマーク、シンボルマークは記号として意味が伝わるか。
13. Icon アイコン
ロゴは、Favicon(ブラウザのアイコン)やアプリアイコン、シンボルなどに使えるか。
14. Pattern パターン
ロゴやロゴの一部を連続して並べたパターンとしても美しいか。
例)Louis Vuitton
15. Font フォント
ロゴタイプの書体は、企業や商品のイメージに合っているか。複数のフォントを使いすぎていないか。
ロゴタイプのセリフ(はね、はあいなど文字や記号の端につく飾り)は、企業や商品のイメージに合っているか。視認性を悪くしていないか。サンセリフはセリフがない書体。
ロゴタイプといっしょに使われるフォント、Webの本文や見出しで使うフォントと相性はよいか。
16. Kerning カーニング
ロゴタイプの文字は、隣り合う文字とスペースを調整しているか。詰めすぎたり開けすぎたりしていないか。
17. Tracking トラッキング
ロゴタイプの単語と単語のスペースは調整していうか。広すぎたり狭すぎたりしていないか。
18. Leding レディング
ロゴタイプの文字は、行間の調整をしているか。低すぎたり高すぎたりしていないか。
19. Upside-down 逆さま
ロゴタイプは逆さまにしても美しく調整しているか。
例)ちなみに、NISSINは逆さまにしてもNISSINと読める。
20. Isolation アイソレーション(余白)
ロゴの周囲を埋める余白を定めているか。この面積が少なすぎるとロゴが目立たない、バランスが悪い、美しくないなど問題が生じることがある。
21. Regulation 規則
ロゴの使い方、禁止事項は定められているか。
他社がロゴを使う時に、意図しない使われ方を避けるため。
22. File Type ファイル形式
ロゴはベジェ曲線を使い、業界標準のAdobe Illustratorで制作しているか。
Adobe Photoshopのようなラスター形式で作るのはNGです。
*この項目を入れるのは幼稚すぎないか迷ったが念のため入れておく
23.Golden Ratio 黄金比
ロゴは科学的に計算されているか。
例)モナ・リザもペプシのロゴマークも、プロのデザインは黄金比を使用して計算されている。
デザインとは
エンジニアは、たった3行のコードを書くために、30回書き直し、300時間調べています。WebブラウザでWebページの表面の一部しかみないクライアントやユーザーは、素人のエンジニアが書いた深刻なリスクを抱えたコードとプロのエンジニアが書いた安全な美しいコードの違いは問題が発生するまで気付きません。
デザイナーも似ています。アプリを使えばデザイン知識ゼロの素人でも無料でデザイナーになれる時代です。やっかいなのは、コンピュータの場合は問題があると動かなくなりわかるけど、デザインの問題は無自覚で気づきにくいところです。ここまで読んでくれたらあなたは、アマチュアとプロのデザインクオリティーの違いがわかる人になれるはずです。
参考記事:
センスだけじゃない!ロゴデザインに見る素人とプロデザイナーの違い
ロゴ制作をデザイン会社に頼むといくら?62社の料金表をまとめてみた