U23 Conference 15 Toronto part 2 基調講演 Future Life Report

u23conference15to_1

2015年5月21日トロント、U23 Conference 15 Torontoが開催された。 生徒、パートナーを招待し、未来法人U23のメッセージを届けるカンファレンス。

カンファレンスは、トロントから新しい働き方を発信するCentre for Social Innovationで開かれた。U23 Torontoもここのオフィスへ入居している。反響がよく追加席を増やした会場には、留学エージェントらしからぬそのイベントに、何をやるつもりだと見に来た人もいれば、KenのSNSのフォロワーで胸に期待を膨らませ参加する人も、U23がやることならおもしろそうとなんとなく来た人もいた。未来法人U23らしくライブ配信をし、イギリスやドイツ、日本からも視聴された。

MCからU23 Conferenceのとゲストの紹介がある。 一ヶ月遅れの12周年の喜びを伝えると、サポーターからお祝いの花束をプレゼント。 そして、CEO Kenによる基調講演がスタート。テーマは、Future Life Report。

U23 Confrence 15 Toronto 150521.001

冒頭、おもむろに世界23周の旅の報告書を提出しますとスクリーンを差す。 そこにはただ真っ白な画面が映し出される。 画面のエラーではない。この真っ白な報告書の意味は!?

オーディエンスが答える。 「未来は白紙。」 「世界は広すぎてよくわからない。」 「固定観念に囚われるな。」

すべて正解、答えは一つではなく、世界の数だけ答えがある。物事には複数の側面があり、視点の数だけ答えがある。Future Lifeとは、「物事の見方」。

世界を旅するのは、いろいろな角度から物事を見るため。日本という国も、外から見ると中にいた時とはだいぶん違う見え方をする。トロントに留学しているみなさんは、そのことに気づいたはずと聞くと、力強くうなづく人もいる。

みなさん自身が、その足で世界を見て感じて、この白紙のレポートになにが描かれているのかを見つけてほしい。世界というのは地理的なものに限らない。同じ場所でも時間や人が変われば世界が変わる。例えば、リトルイタリーを平日の朝と、土曜の夜と、日曜のお昼を見比べると違う景色が見えるはず。夏と冬でも違う。W杯があった去年の6月と今年の6月も別世界。オーディエンスはまたうなづく。

デザイン用語で、空白のことをホワイトスペース、音楽用語で、無音をミュートと呼ぶ、真っ白な紙も一つのデザインの要素であり音楽である。スペインのバルセロナで美術館で、そんな真っ白なキャンバスの作品を見た。ヨルダンのワディアム砂漠の無音の夜は静寂という音楽だった。クリエイター目線で旅の思い出も語る。

わかっていることも別の面から見直そう。もしかしたら、この調査報告書にも、まだ自分には見えていない何かが隠されているかもしれない。そう言ってもう一度、真っ白のスクリーンに目を向ける。

実はここに、みなさんに一番伝えたいことを書いておいた。このアイデアはバレンシアで、なんの変哲もない部屋に灯りを燈したらアートが広がる作品からインスピレーションを受けて閃めいた。いまから灯りを燈す代わりにちょっと背景を変えてみる。するとスクリーンに隠れていた白い文字が浮かび上がる。

U23 Confrence 15 Toronto 150521.002

“Carpe Diem"

留学生のみなさんなら意味はわかりますか?

会場は沈黙する。

ラテン語なのでわからなくても大丈夫と言うとちょっと安心する。

英語で言えば、Seize The Day。日本語に訳すと、その日をつかめ。 いまを生きろ。

英語を勉強している人は気づいたと思うが、言葉がわかると世界が広がる。このラテン語の文字列も、意味がわからない人にとってはただの記号。

”いまを生きろ”

愛してやまないフレーズでもあり、今日集まってくれたみなさんへのプレゼント。

固定観念や常識や偏見に捉われて、時間を無駄にしたらもったいない。時代は変わる。日本人が常識と思っていることは世界の非常識。現在は非常識と思われている発言や行動は、未来の常識かもしれない。わかっていることも別の視点から見直そう。他人の意見に惑わされず、自分の心の声や直感を信じよう。

安全圏にいる評論家に、馬鹿にされたり批判されても負けてはいけない。彼らは挑戦する人を妬んでいるだけ、羨ましいだけ。時代が変わっていることを受け入れられず、自分が理解できないことは否定する年寄りに、若い奴らの夢を邪魔する権利はない。

ここで、この前スペイン語留学をしていた時のことを告白する。夢を与えることが仕事なのに、現実的な話をして申し訳ないけど、人は誰しも年老いていく。ボキャブラリーを覚えるのに、教材が進化しているにもかからわず、10年前の3倍以上の時間がかかっている気がする。さらに忘れるのは3倍以上の速さ。10年後は、もっと時間がかかるだろう。ぐずぐずしていたらすぐに年をとります。甘えず前に進む。

残念ながら今までサボってきたことを後悔しても過去には戻れない。変わらない過去より、未来を変えよう。 もう一度伝える。時間を無駄にしないでください。

Carpe Diem

スピーカーとオーディエンスのボルテージが頂点に達する。

そして、知識や経験、物事の考え方、視点によって見える世界は変わることを事例を出しながら、物事の見方についてだめ押しをする。このお話は、過去にブログでも説明しているので参考されたし。

U23 Blog: 物事の見方

Photo by U23 Design Factory feat. Tomoya Suzuki